こんばんは、ぺいです。
次男が幼稚園を卒園しました。

妻とのツーショット。二人でVサイン
中等度知的障害&ASDを抱えた子供が幼稚園から退園させられた、などのような話を聞くこともありますが、幸いにも最後まで面倒とみていただき、さらには非常に成長をさせていただき、本当に感謝しております。
さて、ふと思ったのですが、私の障害を持つ子供の成長に関する認識は次の通りです。
「知的障害のある我が子は他の子と比較、競争することではなく、自分のペースでゆっくり、でも確実に成長していく」
このように考えているのですが、そうなると次の視点が必要なのではないかと思うのです。
・過去の自分と比較して何ができるようになったのか
・これから何ができるようになった方が良いのか
というわけで今回は中等度知的障害の次男が、幼稚園年長という一年間でできるようになったことを振り返りをしてみようと思います。
振り返りのメリット
生きていて辛い事の一つに「自分が成長している気がしないこと」というのがあると思います。
自己肯定感が高まらない、変化する時代に取り残される不安感が高まる、こういったことから不幸を感じてしまうよくあるパターンですね。これ回避するための方法として考えられるのは次の2つだと思います
(A)「自分は確かに成長している」と感じられるものがある。
(B) 成長していようがしていまいが自分という人間を愛することができる。
今回は(A)の話ですね。
(B)の視点も大事だと思います。育児において(B)に必要なのは何よりも親の愛情ではないでしょうか?
成長にせよなんにせよ物事を測るのには「ものさし」が必要です。
そのものさしになるものとして考えられるのは主に次の3つだと思います。
・過去の自分と今の自分との比較
・他人と自分の比較
・未来の自分と今の自分との比較
ざっくりと、この辺りでしょうか。
今回は「過去の自分と今の自分との比較」というものさしを使ってみようと思います。
「他人と自分の比較」「未来の自分と今の自分との比較」は今は使いません。
その理由は次の項目以降で見ていきます。
振り返りに他者との比較を今使わない理由
多くの場合、成長を測るものさし周囲の人間との比較であったり、世の中の偏差値、中央値、平均点であったりします。広く考えればいずれも他人ですね。
非常にやりやすいというメリットがある反面、これには次のデメリットがあると考えます。
そもそも自分と異なる人間をものさしにすること自体が適切ではない
生まれてきた環境も、価値観も、目指すものも、全てが異なる他人をものさしにしたとしてそれが適切な指標になるのか、正直疑問です。
ましてや知的障害や自閉症を抱えるうちの子が健常者の発達段階をものさしに使うのは果たして適切か、疑問が残ります。
幸福感に至る価値観として望ましくない
他人をものさしにする場合、次の点には注意が必要です。
・障害を抱え、他人より劣った成長度合いである自分に価値を感じられない
・人を下に見ることに幸福感を見出す可能性がある
特に、障害を抱えながら生きる上で必要なのは他者との「協力関係」を築くことだと思います。
人を下に見ないと自分を保てなくなる人格ではどこかで行き詰まってしまうでしょう。
他者との比較は目的によって優れたものさしになる
私たちは少なからず「競争社会」を生きています。
生きていく中で全ての人類が他者との「協力社会」で生きていくのならばそれはそれで良いのですが現実そうはなっていないでしょう。
競争社会を生き抜くには「他者に勝つ、負けない、負けるにしても上手に負ける」ことが必要です。
これは相手がいる話です。そうであれば「相手を知る」ことが重要なわけです
孫子の「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」の言葉の通り、敵と己の比較は非常に重要でしょう。
(この孫子の言葉は「自己分析の重要性を説いた言葉」という側面も強いです。)
また、世の中の発展は競争の中で生まれてきた側面も否定できません。
だから私は他者との比較そのものを否定するつもりは一切ありません。
「生存戦略」、「技術革新」を目的とするならば他者との比較は非常に重要になります。
ただ、今回私が目的としていのは「幸福を感じられる価値観」の育成なので他者比較を採用しない、それだけです。
未来の自分との比較を今はしない理由
企業における予算実績差異などで使われる手法ですね。
未来のありたい姿から現状望ましい予算を逆算し、それを実績と比較して検証する手法です。
(この考え方からすれば現状を根拠なく積み増しして予算としているケースが散見されますが本質からずれていないかな~という印象です。それ「予算」ではなく「予測」ではないかと)
ありたい姿(※)と現状を見て、何が足りないか、その足りないものを補うのにどんな課題があるか、その課題の真の原因は何か、その原因に対する有効な打ち手は何か、など成長を促進する上で非常に重要な考え方だと思います。
私たちの例で言うなら、
将来こうなりたい、こうありたい
⇒これからできた方が良い事リスト作成
⇒今年、今月できるようになるリストを作る
⇒実際と比べる
というところでしょうか。
今回、まだこの未来の自分との比較をしない理由は次の2つです。
ありたい姿が明確ではない
そもそも現段階ではありたい姿が明確ではないのです・・・
子供自身も、そして親である私も「こういうスキル、価値観を大人までに身に着けた方がいいよね」というところが細かく描けていないのでありたい姿の解像度が低い状態です。
ありたい姿と現状のギャップが明確でなければものさしとしての精度は下がりますのでまだ採用していない、というやや消極的な理由です。
目的は自信をつけてほしい
今は「何ができていないか」よりも「何ができるようになったか」を見てあげた方がいいかな?という感覚です。
子供だけではなく、私も妻も子供は確かに成長しているという実感を得ることで子供に確かなフィードバックをしてあげられるというのもあります。
結論的には「やった方がいい事だけれども私たち親がまだそこまで至れていない」ということになります。
次回、必ずやりましょう。
※「あるべき姿」ではなく「ありたい姿」とあえて言っている理由
一般的な書籍には「あるべき姿」と書かれていることが多いですね。
ただ「あるべき」だと何だか義務感感じませんか?好きでもないけどやらないといけない、のような。
子供がこう生きたい、こうありたい、という気持ちから未来を描いてほしい、という気持ちを込めて、義務ではなく希望という考え方から「ありたい姿」と書いています。
できるようになったこと
2語文を話せるようになった
6歳にしてついに二語文が出ました!
これにより意思伝達の幅が広がり、コミュニケーションがより取れるように・・・!
簡単な文章を話せるようになった
長男もそうでしたが二語文が出てからは文章になるまで本当に早かったです。
同じ年に発音はまだまだですが、クリアー!
自分の好きなものに関連するひらがな、カタカナを一部書けた
長男が入学時にひらがなカタカナ全滅だったんですが、おにいちゃんがやっているのを見て興味を持ったのか、
「ゴジラ」など自分が知っていて好きな言葉を中心に教えてもいないのに覚え始めていました。
やはり好きから入る学習はドンドン吸収されますね。
自分で服を選んで自分で着れるようになった
お風呂上りや幼稚園に行く前に自分で服を持ってきて自分で着替えるようになりました。
これは相当親が楽になりました!
お風呂で自分の頭を洗えるようになった
水中ゴーグルありですが、それも自分でつけて洗います。
やったね!
白米、かけうどん、焼いただけのトースト以外にも食べれるものが少し増えた
具がソーセージ、チーズ、トマトソースだけのシンプルなピザ、野菜を刻んで小さくしたチャーハン、祖母のミートソーススパゲッティなど・・・確実に増えています。
給食はまだまだ難しそうですが少しずつ克服していきましょう。
物のカテゴリー分けができるように
たとえば「ほうれん草」と「玉ねぎ」は「野菜」というカテゴリーなので仲間、
というようにものの見方が広がりました。
ジャンパーのジッパーを自分で締めれるようになった
昨年までは親がジッパーを閉めていました。
これも楽になりましたねー
短い時間なら椅子に座っていられるようになった
とても大事な事ですね。
ここから少しずつ伸ばしていきましょう。
散髪に行けるようになった
感覚過敏があってお遊戯に使うメダカの被り物すらかぶれないくらい、頭に何かが触れるのを嫌がったのですが、床屋に髪を切りにいけるようになりました。
私が切るのも大変でしたし、見た目もちょっとかわいそうなことになっていたので本当に良かったです
負けたときの癇癪が減った。負けることもある、と覚えた
療育で「ゲームに負けたときにどう受け止めるか」というトレーニングの結果、感情のコントロールが少し上手になりました。
そう、誰でも失敗や負けることがあるけどその時どうするかがとても大事。
最後に
こうしてみると本当にいろいろとできるようになっていますね。
正直まだまだありますが流石に書ききれないので・・・(笑)
これらは一つ一つは小さなことかもしれません。
だからこそ見ようとして見ないと見落としてしまう、そんなこともあると思います。
何かができるようになると段々とそのことが当たり前になってしまうこと、どうしても他の子の方がいろいろとできてしまうことから少し焦りが出てしまう、これもあると思います。
今回やってみて思ったのは確かにうちの子たちは成長している、そんな実感でした。
是非是非皆さんも定期的に振り返ってみてください。
見えてくるものがあるかもしれません。
それでは今回はここまでです。これからも頑張っていきましょー!
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